アーカイブ | 8月 2020

幼い子の話にもっと耳を傾けるべきだと反省した話

図書館で「ごんぎつね」を探したいの

保育園で読んだのは途中で終わっているから、その続きを読みたいの

うん、あのね、「ごん」っていういたずら狐がいたの

ごんが、「兵十」っていう人がお母さんに食べさせようと思っていた大切なお魚を盗んじゃったから

お母さんがお魚を食べられなくて死んじゃったの

だから、悪いことしたなあって思って、

ごんはいろんなものを兵十のところに持っていくの

ごんが兵十の家の中にいるのを兵十がみつけて

「あのいたずら狐め」って火縄銃に火をつけて、ごんを撃ったら

ごんが持ってきたどんぐりをみつけて

「ごん、お前だったのか」って言うの

それでお話が終わってるの

だから続きを読みたいんだ

兵十がごんを動物病院に連れて行って

ごんと兵十が仲直りするんだよ

年中のときに、初めて紙芝居を見たとき

みんな「ごん、かわいそう」って言ったんだよ

出逢い

20世紀のある年の冬、私は営業職として長野県にいた。

御宅を訪ねると、郷土の味をごちそうになることもしばしばだった。

大抵は林檎あるいは野沢菜だったが、いちどだけ蜂の子とイナゴを勧められた。

どうして断ることができようか。

それはこの地域の食文化であり、長きにわたり人々の命を繋いできた貴重な蛋白源であったのだ。しかも小娘二人がどう反応するか見守っている、その目の前で!

まず攻略すべきはイナゴだ。

(エビ・・・エビ・・・)と頭の中で繰り返し唱えながら口に運んだ。

実際、食感は小エビのようだった。

さていよいよ蜂の子である。

「蜂」の「子」、すなわち幼虫。

佃煮の味がよくしみていそうな小さくて黒いものを、私は慎重に選んだ。

「あっ・・・美味しいです!」

同僚が言った。

そうなのか。

しかし、意図的に醤油しか味わおうとしなかった私は、2つ目に手を伸ばす勇気を最後まで出すことができなかった。